鈴木無花果
鈴木無花果 虎-占い-本屋
       

浪漫の秘薬

タカハシは新宿駅近くの発出所に勤めている。
毎夜の虎狩りが業務。
泥酔した人間はトラと呼ばれる。四つ足で、お酒(ささ)を好むからだ。

いつも通りに酔客を介抱していると、明らかに様子のおかしい男が倒れて、ビクビク痙攣している。
急性アルコール中毒かと思い救急車を呼ぶが、その到着を待たずに男は事切れる。
「13回目」
という言葉を残した。

その後も増えていく”13回目”の死者。
ある古本屋を中心として分布していることが分かる。
サワダ書店。
そして死者たちの死体からは薬物が検出される。
略称を”13″とし捜査が始まる。
13は新種の脱法ドラッグ。
ヘロイン並みの快楽を得られるが、13回目(個人差あり)で死亡リスクが高まる。

サワダ書店に調査が入るが薬物は見つからない。
しかし書店で13の取引がされていることは間違いない。

こりゃタロット占いですよ。
宮城県警から一時出向してきたという橋本が言う。
サワダ書店では、決まった時間のみ、取引が行われているのではないか。
その時間は?

犯罪者は意外とロマンチストなのであれば、と橋本。
取引が行われるのは、”正義”の逆位置。
“正義”の番号は11。
“13”を手に入れる答えは、午前11時に、裏口から書店に入り、11番の棚に一冊だけ逆に置かれた本を手に取ること!

かくして13を製造していたサワダ書店店長は逮捕されることとなる。

タカハシが橋本に尋ねる。
今回の件、どうして分かったのですか?
「正義の味方は、ロマンチストでなけりゃダメさ」

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