鈴木無花果
鈴木無花果 新聞紙-三つ編み-学校
       

三つ編みのフィーナちゃん

私には不思議な力がある。
作ったお人形に心を与えることができるのだ。
私には友達がいないから、新聞紙を使ってお人形のお友達を作っている。
今のお気に入りは私と同じ三つ編みの女の子、フィーナちゃん。
フィーナちゃんはとってもキュートだけど、ちょっと物騒な事件の記事で作られているのがポイントだ。

私は学校でもフィーナちゃんとお話をして、休み時間を過ごしていた。
フィーナちゃんは物騒な記事で作られているので発言も結構物騒だ。
私に害をなす人間は殺してやるとかなんとか。

「サイアク」
教室ヒエラルキー最強のマリアちゃんが言う。
パパに三つ編みにしてもらったのに私と髪型が被ってしまったからムカつくとかなんとか。
マリアちゃんは私の机を蹴り飛ばし、私の三つ編みを無理やりほどいて、フィーナちゃんを踏み潰した。

やめて!私は思った。
フィーナちゃんは私にはとっても優しいけど、中身はかなり物騒な性格だから、マリアちゃんに仕返しをしてしまうかもしれない・・・!

***

「センセーってここの出身でしょ?フィーナちゃん知ってる??」
教育実習で訪れた母校の小学校。生徒が私に聞いてくる。
なんでもこの学校は呪われていて、女子が三つ編みにしてくると、フィーナちゃんという人形が現れて、給食に毒を入れられてしまうのだとか。
だから、女子は三つ編みにしてきた日には給食を食べてはいけないのだ(そしてこっそり、お菓子を食べる!)

ちょっとわかんないかな、と子供たちを授業へ戻す。
ちゃんと回避できるルールまで出来たんだ、と思う。おまじないってそういうものだ。
あの後、マリアちゃんは給食の後に急に具合が悪くなり、盛大な嘔吐をしてしまった。
そして苦しむマリアちゃんの目線の先には、潰れたフィーナちゃん。
フィーナちゃんの顔には、”毒殺”の文字。数日前にあった事件だ。
怯えて取り乱したマリアちゃんは教室を飛び出して、学校中に吐瀉物を撒き散らし、そのヒエラルキーを失った。

フィーナちゃんの呪い。
私には不思議な力がある。
私を守ってくれる友達を作り出すことができる。
フィーナちゃんが私を守ってくれたのだ。
マリアちゃんの給食に、掃除用の洗剤なんて入れていない。本当に。

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